ローディングアーム
ローディングアームとは
海外から輸入したLNGや原油、更には国内外で精製された流体系原料(ガソリン、LPG、ナフサ、硫黄など)の流体やガスなどを船から陸上のタンク、あるいはタンクから船に輸送するときに用いる、桟橋上にある配管と、スイベルジョイント 、ウエイトなどを組み合わせた装置。
従来はホースを用いて輸送していたが、接続に時間や手間がかかることや、荷役中の事故につながりやすいということから、現在はほとんどの石油・化学会社 、油槽所で、ホースではなく、ローディングアームを使用している。(荷役中の事故は、すぐさま海上汚染につながり膨大な保証を求められることもローディングアーム採用の理由である。)
ローディングアームのサイズ
ローディングアームは3B~24Bまでサイズが様々で、原油やLNGなど海外から 大型タンカーで輸入するものは、12B~24Bの大型マリンローディングアームを使用している。また原油から精製された流体は石油会社から化学会社に送られたり国内の油槽所に送られるとこが多いため、小型・中型タンカー用の3B~10Bのマリンローディングアームを使用することが多い。
大型ローディングアームは、その作業性から、油圧シリンダーやモーターを組み合わせてリモコン装置で作動できるようにしている事が多い。小型・中型アームは2、3人の作業員で簡単に動かすことができるので、ほとんどが手動となっている。
ローディングアームの型式
型式にはワイヤーが付いたもの、パンタグラフが付いたものとウエイトだけで動かすものがあるが、構造は同じで、上下のバランスによって安全に作動するように設計されている。
流体にもよるが、スイベルジョイントにはゴムやテフロン系などのパッキンが使われているため、定期的なメンテナンスが必要になってくる。メンテナンス周期は流体によって異なるが、大体3年から7年ぐらいである。
近年はメンテナンス不足による事故も発生して問題になることも多い。
また、陸上のローリー出荷用のローディングアームは陸上用ローディングアームと呼ばれ構造的には同じようなものになっている。陸上用と差別化をはかるため、ローディングアームはマリンローディングアームと呼ばれることもある。